【断層映像研究会雑誌 第38巻 第2号  2011年8月〜12月】
      第40回
断層映像研究会:抄録集pdf(676k)(2012.12.27掲載)
    連続講座:断層映像法の基礎 第34回 
・スパイラルスキャンCT 篠原 広行、他pdf(2.4M)(2012.12.26掲載)
    会員所感
・警戒区域 狭いのか広過ぎるのか? 藤井 恭一pdf(385k)(2012.12.26掲載)
    原著
・妊婦急性腹症のCT 河辺 哲哉、他pdf(1.1M)(2012.12.26掲載)

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連続講座

断層映像法の基礎 第34回

スパイラルスキャンCT

篠原 広行1)、桑山 潤1)、小川 亙1)、軽部 修平1)、小島 慎也1)、藤堂 幸宏1)、
中世古 和真2)、橋本 雄幸3)

1)首都大学東京人間健康科学研究科 放射線科学域
2)東邦大学医療センター大橋病院
3)横浜創英短期大学 情報学科



はじめに
 第33回では検出確率Cijの関係を行列とベクトルの計算式に置き換えて解を求める最小二乗法を利用した方法について解説した。今回は、ファンビームを回転させながら被写体を体軸方向に移動して連続的に測定するスパイラルスキャンについて解説する。また、その方法を利用した再構成方法についても紹介する。

1.3次元被写体の計測
2.スパイラルスキャンの投影
3.スパイラルスキャンの再構成

 

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原著

 

 

妊婦急性腹症のCT

河辺 哲哉、長田 久人、新保 宗史、大野 仁司、渡部 渉、岡田 武倫、
柳田 ひさみ、本戸 幹人、清水 裕次、西村 敬一郎、山野 貴史、上野 周一、
煖エ 健夫、本田 憲業

埼玉医科大学総合医療センター 放射線科


要旨
 妊婦の急性腹症に対して、2006年3月から2010年7月までに当院で腹骨盤部CTを施行した妊婦20検査19例(16歳から37歳、平均30歳)をretrospectiveに評価し、妊婦の急性腹症に対するMDCTの有用性を検討した。
 20検査中3検査は正常所見、17検査が異常所見を有していた。17検査のうち、CTのみで診断可能であったものが11検査11例(急性虫垂炎8例、絞扼性イレウス2例、原発性腹膜垂炎1例)、CTが診断の補助的役割を果たしたものが6検査6例(卵巣茎捻転4例、急性腎盂腎炎・卵巣膿瘍各1例)であった。有所見17検査のうち、14検査14例が緊急手術となり、絞扼性イレウスの一例の死産を除き、母児ともに経過は良好であった。
 MDCTは緊急処置の必要な疾患の診断および除外に有用であり、母児の予後改善に寄与しうる。放射線科医は胎児被曝について十分な知識を有し、また慎重を期す必要があるものの、それにこだわるあまりに、診断の遅れを招いてはならない。

Key words :
CT、妊婦、急性腹症、胎児被曝

  【受付:2011年12月9日】

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