第44回断層映像研究会

 

 

konica

 

大会長挨拶

 

 2015年10月23・24日開催の第44回断層映像研究会大会長を拝任致しました。
 今回の研究会のテーマは、『多種多様な画像所見から究めるcommon disease』です。教科書的なcommon disease の特徴的画像所見は各成書にまとまって記載されています。しかし、日常読影においては典型的な画像所見のみでは対応できないことは理解されていると思います。多種多様な画像を充分に知り、かつその意味合いを理解していないと各科臨床医の上を行く画像診断は不可となります。例えば肺結核では活動性病変と陳旧性病変、致死的大量喀血となる空洞内アスペルギローマ等の診断では不充分です。肺結核巣や陳旧性肺結核性胸膜炎から生じる悪性腫瘍、結核性リンパ節炎から生じる縦隔炎や硬化性縦隔炎等への広い知識が必要となります。
 画像診断も他分野、特に病理組織診断の変遷に大きな影響を受ける事が多々あります。Splitter(細分化を好む人)、lumper(まとめを好む人)の影響も受けますが、真実は大きく変わるはずはありません。やはり病変の本態の理解が必須で、多種多様な画像を知ることで、真実に一歩でも近づければと思っています。
 多くの学会、研究会が開催されていますが、今回の研究会では、各レベルの診断医が、『参加して良かった。新知識も得られたし、自分の良いrefreshmentにもなれた。』と言って下さる会を目標としていますので、どうぞよろしくお願いいたします。


第44回断層映像研究会 
大会長 櫛橋 民生 
(昭和大学横浜市北部病院 放射線科)